こんにちは
以前からなんですが、昇進を望まない、もっと具体的に言えば管理職になりたくない
そんな若手社員が増えてきているとニュースや本などでもよく見かけます
わたしは、なるべく早く昇進したかったので、この話だけ聞くとあまり理解できません
ただ、実際に自分の部下にもボーナスの査定の時期に
今後の将来について会話をすると、管理職にはなりたくと言っていました
前の会社で働いていたときは、この状況をどうにかしたいと試行錯誤していました
なぜこんなことが起きているのかを調べてみました
1.はじめに
今、どのようなことが起きているかご存知でしょうか?
1−1 現在の若い世代でよく見られる問題
現在、多くの若手社員が昇進を望まないという問題が見られます
かつては、昇進がモチベーションの一つであり、若手社員も管理職を目指していました
しかし最近では、昇進に興味を示さず、現状維持を望む若手社員が増えています
その結果、会社の中でリーダーとなるべき人材が不足し、組織の成長に影響を与えています
また、若手社員の育成が難しくなり、管理職自身もこの状況に頭を悩ませているのが現状です
1−2 若手社員の昇進意欲低下はなぜ問題なのか?
若手社員の昇進意欲が低下することは、会社にとって大きな問題です
まず、将来のリーダーが育たないため、組織の継続的な発展が難しくなります
リーダーが不足すると、プロジェクトの進行が滞り、会社全体の成長が鈍化する恐れがあります
また、管理職を目指す人が減ると、組織内で意欲的に取り組む人材が少なくなり
職場の活気が失われることもあります
このような状況が続くと、優秀な人材の確保や社内のモチベーション維持が困難となり
最終的には企業の競争力に影響を与える可能性があります
2.若手社員が昇進を望まない理由とは?
では、なぜ若手社員が仕事において、昇進することがモチベーションにならなくなったのでしょうか?
2−1 昔と今で異なる働き方や価値観が違う
昔と今では、働き方や仕事に対する価値観が大きく変わっています
以前は、同じ会社で長く働き、昇進していくことが成功とされていました
そのため、多くの人が管理職を目指し、会社に尽くすことが当たり前と考えていました
しかし、現代では仕事に対する考え方が多様化しています
若手社員の多くは、必ずしも長期間同じ会社にいることを望みません
個人の成長やワークライフバランスを重視する傾向があり、転職も当たり前になってきました
昇進や管理職になることよりも、自身の価値観を優先する人が増えています
こうした価値観の違いが、若手社員の昇進意欲の低下につながっているのです
2−2 ライフワークバランスの優先順位が高い
若手社員の多くは、仕事だけでなくプライベートの時間も大切にしたいと考えています
以前は、長時間働いて会社に貢献することが重視されていました
今の若手社員はそれよりもライフワークバランスを優先します
彼らにとって、仕事とプライベートの時間をしっかりと分け
自分の時間を充実させることが重要なのです
このため、昇進して責任が増えることに対して慎重な姿勢を持つ人が増えています
管理職になると、仕事に費やす時間が増え、プライベートの時間が犠牲になると考えています
若手社員は、キャリアの成功だけでなく、自分の生活全体のバランスを取りながら働きたい
このように考えている人が多いのです
2−3 安定を重視する傾向がある
最近の若手社員は、安定した生活や心の平穏を求める人が増えています
彼らはリスクを避ける傾向が強く、安定したポジションに留まることで
生活の安心感を得たいと考えています
また、管理職になることで生じるプレッシャーや責任を負うよりも
自分のペースで働ける現状に満足するケースも多いです
このような安定志向が、若手社員の昇進意欲の低下につながっています
2−4 管理職の責任とプレッシャーを敬遠する
若手社員が管理職を敬遠する背景には、その役割に伴う責任とプレッシャーに不安があります
管理職はチームの成果に対する責任を持ち、問題が起こればこれを解決する必要があります
また、部下の育成やメンタルケアなど、多種多様な"人"を相手にしなければなりません
これらの責任が重く、プレッシャーを感じる場面も多いため
昇進や管理職になることに慎重になる若手社員が増えています
さらに、現在は個人のワークライフバランスやメンタルヘルスが重視される時代です
若手社員は、管理職になることで自分のプライベートが犠牲になり
心の余裕がなくなることを懸念しています
このような理由から、彼らは管理職に対してポジティブなイメージを持ちにくく
結果として昇進を望まなくなっているのです
3.今と昔で異なる働き方の価値観について
わたしは、以前と価値観が変わってきていることが大きな要因と考えています
もう少しこれについて掘り下げてみます
3−1 昔の仕事に対する価値観
昔は同じ会社で長く働き続け、その社会人人生の中で昇進することが当たり前とされていました
一度会社に入れば定年まで勤め上げるのが普通で、会社も社員の長期的な雇用を保障していました
その中で、昇進は個人の努力や実績に対する評価として位置づけられ
キャリアを積み重ねることが当たり前のように期待されていました
多くの人が、管理職や役員などの上のポジションを目指し
会社に貢献することを人生の目標とする傾向が強かったのです
昇進すると給与も上がり、家族のために安定した生活を送ることができる安心感もありました
このように、以前は、昇進と昇給することが大きなモチベーションとなっていました
3−2 今の仕事に対する価値観
今の仕事に対する価値観は、以前と比べて大きく変わっています
現在、多くの若手社員は終身雇用にこだわらず、より柔軟な働き方を求めています
以前は転職は少数派でしたが、今では当たり前のように1年、2年で転職する人も増えています
また、フレックス勤務やリモートワークなど
自分のライフスタイルに合わせて働ける環境を求めている人が増えています
これにより、仕事だけでなくプライベートの時間も充実させることができ
全体的な生活の質を向上させることが大切だと考えられています
また、キャリアの選択肢も多様化しています
昔は一つの会社で昇進していくことが主流でしたが、今は転職やフリーランス、専門職への道など
自分のスキルや興味に合わせて様々なキャリアパスを選ぶことが可能です
これにより、必ずしも管理職を目指さなくても、自分に合った働き方を選択できるようになりました
3−3 ワークライフバランス重視の背景とその意味
ワークライフバランスを重視する考え方が広がっている背景には
社会全体の価値観の変化があります
かつては、長時間働いて会社に貢献することが重視されていました
また、働き方改革で残業時間も規制されるようになっています
今は仕事だけでなくプライベートの時間も大切にすることが重要だと考えられています
特に若手社員は、自分の趣味や家族との時間を確保し
心身の健康を保つことが豊かな生活につながると考える人が増えています
この変化の背景には、テクノロジーの進化や働き方改革の影響もありますリモートワークやフレックスタイムなど、仕事とプライベートを両立できる働き方が広まったことで従来の働き方にとらわれない柔軟な生活が可能になりましたワークライフバランスを重視することは、社員の満足度や生産性を高め長期的に見て会社にもプラスになるとされています
他にも、2021年の調べでは専業主婦の割合が全体の21%だそうです
日本の賃金が上がらないまま、物価など生活費が上がっているため
女性も働くことが当たり前の世の中になっています
もちろん、生活費のためだけではなく、女性が働ける環境が以前に比べれは整っているため
出産後でもまた継続して働けるようになっています
そすることで、家事・育児を女性だけに任せるのではなく
男性も当たり前に参加しなければならないなどの、生活スタイルが変わったことも要因です
4.問題を解決するために必要なことは
問題を解決するためには、自分たちの価値観を押し付けるのではなく
時代にあった新しい働き方を見つけていくことが必要だと思います
4−1 若手社員と将来像に対する話を増やし、ニーズを掘り下げる
若手社員の昇進意欲を高めるためには、まず彼らと自身の将来像について会話を増やしましょう
彼らがどんなニーズや考え方を持っているかを理解することが重要です
日常の業務の中で、若手社員がどんなことに関心を持っているのか
何に不安を感じているのかを知るための機会を増やしましょう
雑談や定期的な面談を通じて、彼らの意見や希望を聞くことが大切です
こうした対話の中で、彼らが何を求めているのか
どんなサポートが必要なのかを具体的に知ることができます
そのうえで、彼らのニーズに合わせた成長の機会や働き方を提供することで
若手社員のやる気を引き出すことができます
まずはしっかりと話を聞き理解することから始めてみましょう
4−2 柔軟なキャリアパスと働き方を提案する
若手社員の多様な価値観やニーズに応えるためには
柔軟なキャリアパスと働き方を提案することが重要です
前社員が昇進を目指すわけではありません。一人ひとりが自分の価値観に合った道を選べるように
いくつかのキャリアの選択肢を用意しましょう
例えば、専門スキルを極める道やプロジェクトベースで活躍できるポジションなど
昇進以外の成長ルートを示すことも効果的です
また、リモートワークやフレックスタイムなど、働き方の選択肢を増やすことで
仕事とプライベートのバランスを取りながらキャリアを積んでいくことができます
このように、多様な働き方とキャリアパスを提案することで
若手社員が自分の未来を描きやすくなり
結果的に組織への意欲と貢献度を高めることにつながります。
4−3 管理職の役割を再定義し、魅力を伝える
そもそも、管理職が避けられる大きな要因として
ほとんどの組織の管理職がプレイングマネージャになっており
実務をこなしながら、業務管理・育成・評価などで多忙になっている
この多忙な姿を見られているからだと思います
まずはこの多忙さを改善することからスタートする必要があります
そのうえで管理職の役割を見直し、その魅力を若手社員に伝えることも大切です
従来の管理職の役割は、部下を監督し、結果に責任を持つというイメージが強いはずです
しかし、今の時代には、管理職にも新しい役割が求められています
例えば、チームメンバーの成長をサポートし
個々の力を引き出す「コーチ」や「メンター」としての役割です
また、組織の風通しを良くし、新しいアイデアを取り入れる
「イノベーター」としての側面も強調できます
これにより、管理職が単に厳しい立場ではなく、人を育て
チームを導く魅力的なポジションであることを伝えることができます
こうした役割の再定義を通じて、若手社員に管理職の新しい価値ややりがいを感じてもらい
彼らの昇進意欲を高めることができるかもしれません
4−4 昇進意欲を持つ人材を見つけ、育てるための新しいアプローチ
昇進意欲を持つ人材を見つけて育てるためには
個々の社員の特性や意欲に合わせた育成方法を取り入れることが重要です
まず、若手社員の意欲や適性を見極めるために、日々のコミュニケーションを大切にしましょう
彼らの強みや興味を把握し、適材適所の業務を任せることで成長の機会を提供できます
また、小さな成功体験を積み重ねることで
徐々に自信と昇進への意欲を高めるサポートをすることも効果的です
さらに、社内で自身の成長のモデルとなる先輩やメンターを見つける機会を設けるのも有効です
実際に管理職として活躍する人の姿を見せることで
若手社員が自分の将来像を具体的にイメージしやすくなります
こうしたアプローチで、昇進に興味を持つ人材を育てていくことが大切です
(参考)わたしの経験
ここでわたしの経験も書いておきます
わたしは管理職をやっていたので、部下と将来について話し合うことが多かったです
その時、リーダーやわたしと同じポジションになる気持ちがあるかを聞いていました
わたしはポジティブな転職については肯定派で
その情報を得ることで人員の補充計画も立てれることから
転職を含めた、自分の将来像についても聞くようにしていました
そのときに若手社員から出てきた言葉は
ポジションを与えられた人たちはみんな忙しくなっているから嫌
以前わたしが働いていた会社はあるポジション以上になると
当たり前のように100時間以上の残業がありました
残業代は出ると言っても、ほとんどの人が22:00以降にしか帰らない
定時に帰ったり、有給を自由に取れる人を見たことがない状況を入社後から見ていたら
昇進したいというモチベーションはなくなりますよね
管理職までいくと忙しいうえに責任まで取らされるのが嫌
わたし含めて管理職のメンバー全員なんですがプレイングマネージャでした
人に任せられない管理職もいましたが、そもそも人員不足です
人員・能力のキャパを超えた量を受注するのが当たり前になっていました
これに疑問を持たない人間が多すぎで、これに意見しようものなら腫れ物扱いです
受注してしまったものは、断ることができないので、部下だけではできないものは
全て管理職の人がやっていました
それで給料が良いかというと、そうではなく残業しているから人より多いだけ
これをみて、実務も大量にやっている、さらに問題が起こればお客様や社内で責められる
そんな姿を見ていれば昇進したいとは思わないですよね
給料には満足しているから今のまま与えられた仕事をこなすだけがいい
上の2つは、自分自身の将来を考えていたり、周りをよく見ている部下の発言でした
そういったことは特に気にもせず、ただ今の状況に満足している部下はこれでした
特に業務内容も精神的にも苦痛がなく、自分のペースで自由にできる
また、実家暮らしの部下が多かったので、お金も必要としてない
採用が上手くいっておらず、とりあえず人を増やすことを目的としていたため
入社してくる社員のレベル低く、こうした発言をする部下も多くいました
実際の部下の発言はこのようなものでした
他には、会社全体として結婚する人が少なかったり、30代中盤以降で結婚する人が多かったです
わたしを含めて結婚生活を想像できないという人がけっこういました
また、働くことに重きを置いているので、結婚したあとに夫婦関係が悪化していました
特に、子供が生まれたあとに揉めることが多かったと聞いています
わたしの経験からも、社会全体がライフワークバランスを重要視する傾向にあると言えます
5.最後に
いかがだったでしょうか
昇進したくない若手社員の現状について書いてみました
もしあなたが管理職であれば、同じような問題を抱えていると思います
その問題の解決にお役に立てたら幸いです
人を変えるのはかなりの労力がかかります
なので、自分が変われるところは変える、もしくは組織や仕組みを変えてしまう
こうする方が、人の考え方を変えるよりも、即効性が高いとわたしは考えています
「最近の若い人たちは。。。」と言ってもなにも変わりません
むしろ、わたしたちの古い考えが新しい時代にあっていないだけかもしれません
人間は変化を嫌う生き物です
今までのやり方や考えに固執するのはしょうがないと思います
ですが、これから先あなたが一生辛い思いをするくらいなら
今、意欲ある若手に育ってもらうことの方が、将来の自分の助けになると思います
変化を恐れず、少しずつ何かを変えていきませんか?