今回は、最近ニュースでも話題になっている退職代行について書いていこうと思います
いまのご時世、退職代行について詳しくしらないまでも一度は聞いたことがあると思います
もしかするとあなたの職場でも退職代行を使った退職が発生しているのではないでしょうか?
わたしが以前勤めていた会社の部署では
まだそこまで世間で広がる前にも関わらず、3件発生したことがあります
そのうち2件は自分が管理職だったときに発生して、部署での対応も経験しました
あれから長い時間が経ち、ニュースを見たりして、いま冷静に退職代行について考えてみると
使う側の使い方、使われる側に大きな問題がある、この2点なのかなと思っています
なので、退職代行そのものが良いとか悪いとかではないのかなと考えています
管理職として実際に使われた側の目線で書いていこうと思います
退職代行について調べてみた
退職代行について
まず最初は退職代行とは
本人(辞めたい人)に代わって弁護士や代行業者が会社に対して退職の意思を伝えるサービス
簡単に言うとこういうことです
退職代行を使って退職をしたことがある年齢層というのは
だいたいが20代〜30代前半で全体の7〜8割くらいを占めているそうです
とくに近年では新卒社員が4月末くらいから5月のGW明けくらいに依頼するケースも増えているそう
退職代行業者に支払う金額は約1万5000円くらいからあり、金額はまちまち
ネットの比較サイトとかをみると2万5000円前後が相場のようです
退職代行の運営が、一般法人、労働組合、弁護士法人の3つあり
弁護士法人が運営しているものは、高額になっています
退職代行業者から連絡が入る日まで
わたしは使用した側ではないので、いろいろと調べた情報は下記のようです
1.退職代行業者へ退職に関する相談
退職代行を使っての退職について、メール、電話、LINEで相談するそうです
2.退職代行業者へ申し込み
相談した結果、退職代行を使って退職をしたいと決断したら申し込みを実施
申し込みを完了した時点でキャンセルは不可
退職代行業者から会社に連絡がある日の行動についても説明があるそうです
特に、会社からの連絡は受けはダメとされているみたいです
3.退職代行業者から会社へ退職の連絡
退職代行業者から会社に対して連絡が入ります
わたしの場合は職場ではなく総務に連絡が入りました
そのため当日は、本人が職場に現れず、また、連絡が全く取れなくなります
会社の始業時間に合わせて連絡が入るわけでもないみたいなので現場は混乱します
4.退職届と貸与物を会社へ郵送
退職代行業者と会社で話が行われます
その後、退職届、社員証など貸与されているものなどが郵送されてきます
5.退職完了
全ての話がまとまり、荷物などの受け取りが完了し、問題がなければ退職完了です
なお、3.でも書きましたが、本人と連絡が取れなくなるので
退職代行を使われた時点で、全く引継ぎはされないことを覚悟してください
ここまで、退職代行についてと、簡単な流れについてです
流れに関しては、退職について悩んでいたり、使われたことがなければ、あまり知らないと思います
退職代行を使う理由
退職代行を使った人たちはどのような理由ですることになったのでしょうか?
1.退職を言い出しにくい状況だった
2.退職を申し出たが、退職させてくれなかった
3.すぐに退職したかった
だいたいがこの3つのように思えます
1.退職を言い出しにくい状況だった
これは、人で不足の会社などで退職を申し出ることができず
言ったとしても認めてもらえない、引き留めにあうなどのことから言い出しにくかった
また、新卒社員など入社してすぐのため退職を言いにくかったなど
本人が、会社に退職を申し出る前になんらかの理由で躊躇して退職代行に頼ったためのようです
2.退職を申し出たが、退職させてくれなかった
これは、本人がしっかりと退職を申し出たにもかかわらず
退職が受理されなかったり、強引な引き留めにあい、退職させてもらえないからとのこと
この場合、本人は意思表示しているにも関わらず、会社側の対応に問題があるため
通常の退職の手続きを試みたが、しょうがなく退職代行に頼ったためのようです
3.すぐに退職したかった
これは本人の問題なのか、会社側の問題なのか難しいところですね
本人の、転職が決まって引継ぎしたくない、今の仕事から逃げたい、精神的な問題なのか
会社側の、ハラスメントが酷い、強制的な長時間労働など職場環境が問題なのか
いずれにせよ、なんらかの理由で今すぐここを辞めたいと思い退職代行に頼ったためのようです
いかがだったでしょうか
退職代行の使用を「非常識だ」と一言で片付けてしまってはダメな理由が少し見えますよね?
もちろん本人の自分勝手な理由は許されるべきではないと思います
本来であれば劣悪な労働環境や会社側の不誠実な対応に対して、
今まで労働者側が「言っても辞めさせてもらえない」と諦めていたところに
「逃げる」手段をつくってくれたのが、退職代行サービスなのだと思います
退職代行を使われた管理職が考えるべきこと
退職代行を使う人たちの理由がわかったところで
すでに退職代行を使われたことがある、もし使われてしまったことを想定して
管理職としてどのようようなことに気を付けていけばいいのでしょうか
1.コミュニケーションの改善
言い出せない理由の中に、上司との関係が悪い、職場の人間関係が悪いというのがありました
そもそもコミュニケーションが希薄だから、言いにくいというのもあると思います
また、これはわたしの経験ですですが、どれだけ長時間労働が蔓延していたとしても
普段それなりにコミュニケーションが取れていれば、直接言ってくれます
また、社内で上司に退職を言い出しにくい場合の連絡場所を明示しておくこともいいと思います
とくに若い人は、このような問題は直属の上司に伝えるべきと勝手に思っています
そうすると逃げ道がないので、直接言えない場合は退職代行を使ってしまうのだと思います
人事や総務など上司に言えない場合はココというのを作るのがいいと思います
2.職場環境の改善
ハラスメント、長時間労働の蔓延など社員の不満になる要素を少しずつ改善するべきだと思います
上司、先輩のハラスメントがあるから直接退職を伝えることができない
業務量が人員に対してオーバーしているから、長時間労働が蔓延し、健康やメンタルに影響が出る
その結果、周りの人にも悪いからなかなか退職いいだせない
このような、会社や部署に問題があることで、退職代行を使われてしまう恐れがある
ただし、ハラスメントや長時間労働での健康被害がでているなら
わたしは退職代行を使われてもしょうがないと考えています
この状況だが離職者は少ないと楽観視していると、ある日誰かが退職代行を使ったとたんに
限界だったメンバーが一斉に退職代行を使うという連鎖が起こる可能性もあります
3.離職率低下の努力
そもそも退職する社員がでることは組織の新陳代謝という観点ではしょうがないと思っています
ただし、退職する社員がでることは「しょうがない」と諦めるのでは
長く続けてくれる社員が増えるように、会社に愛着を持ってもらう必要があると思います
なので、辞める社員に辞める理由をしっかりと聞き出し
不満があるのであれば、その不満部分を残っている社員のために改善する努力が必要です
また、今働いてくれている社員の不満を定期的に集め、すぐに変えていけるものは改善が必要です
少しでも自分の意見が反映されていることが見えると満足度が上がっていきます
「辞める=悪」のような考え方で、社員の不満に耳を傾けない会社は
わたしの経験上、できる社員から次々と辞めていきます
それが、職場環境の悪化やギスギスした人間関係に繋がりますので
できる限り対策した方が良いです
わたしの経験
ここでわたしの経験を少し書いておきます
ケース1
これはまだわたしが管理職になる前でした
おそらくですが、退職代行というものが存在することを知り
次に出てくる「ケース2」の社員の実験台だったのではないかと思っています
20代前半の社員でした
当事者ではなかったのであまり詳しく覚えていませんが
会社に退職代行から連絡があったと上司に連絡があったところから状況を知りました
幸いまだ重要案件はありませんでした
ただし、前日まで対応していたことは全く引継ぎがない状態だったので
いろいろとその社員が対応してことに関しての問い合わせや
なにをどこまでやっていたのかを把握するのにバタバタしていました
数日後、手続きが完了したくらいに、やっぱり申し訳ないと思ったそうで
会社に自分から連絡してきたそうです
そこでわかったことは、自己中心的で忙しいのに仕事を全然手伝おうとしない先輩社員と
サボってばかりいる先輩社員の2人が放置されその先輩社員たちは定時で帰り
言いやすい自分に仕事を渡されて自分は夜遅くまで毎日働いている
辞めるにしても絶対に引き止められると思って退職代行を使いましたとのこと
これは使った理由を本人から直接聞き出せた稀なケースです
ケース2
これはわたしが管理職になってすぐでした
ケース1の社員が使った2週間後くらいに発生しました
20代後半の社員でした
わたしが管理職になって1週間たたないくらいでした
もの凄く簡単に言うと、進捗報告で「大丈夫、調整している、問題ない」と言い続けてきたことが
嘘だとバレるとわかって飛んだというのがことの顛末です
前の上司にも「大丈夫、調整している、問題ない」と言っており
わたしもその前は一緒のチームで仕事をしていたので同じ話を聞いていました
まだ管理業務を引継ぎ中で、前の上司に前日に体調不良を訴えて定時に帰宅
翌日も体調不良の連絡があって休んでいました
そして同日に、あるプロジェクトでこの社員へ問い合わせていることに対して音沙汰がない
さらにもう納期間に合わないが大丈夫かと問い合わせがありました
ここで、以前聞いていた話と全く状況が違うことがわかり、全て嘘であったことが発覚
結局、この状況が発覚する1ヶ月くらい前から何も進んでいないことがわかりました
この社員に事実確認をするため連絡したところ音信不通になり
バタバタしている間に、退職代行から会社に連絡があったと聞かされました
すぐにでも辞めたいという理由で退職代行を使ったケースになります
もちろん音信不通だったため、引継ぎはありません
状況整理と納期を間に合わせるために一から状況把握と対応に追われました
ケース1の社員とケース2の社員はプライベートでも仲が良く
推測ではありますが、退職代行について情報を共有していたものと思われます
ケース3
これはわたしが管理職になって1年経ったくらいでした
30代前半の社員でした
前日は予定があると早めに帰宅しました。確か19時くらいまでには絶対に帰ると言ってました
次の日、遅刻や突発欠勤はない社員でしたが、無断欠勤をしていました
ひとり暮らしだったので、倒れていないかなどの確認のために自宅まで行ったのを覚えています
電話も出ず、家に行っても応答はなく、今までの経験から退職代行かなという気はしてました
近くのコンビニで待機していると、会社から連絡があり退職代行業者から連絡があったと聞きました
こちらもすぐにでも辞めたいという理由で退職代行を使ったケースになります
業務の区切りはついていたタミングだったためすぐに問題は発生しませんでした
ですが、こちらも引継ぎは特になく、一から情報整理するところをかわりませんでした
また、そもそも人手不足で業務過多でしたが、さらに負荷が増えてしまう状況になりました
経験から学んだこと
わたしが経験した3つのケースを、わたしや組織側に原因がある前提で分類すると
人間関係、人材不足、情報の集中:ケース1
管理能力、業務過多、人材不足:ケース2、ケース3
このように原因を考えています
ケース1に関しては、先輩社員への不満に対してわかって部分はありました
そこは上司もそれなりに把握していたと思います
ただし、人を入れ替えるにしても人材がいなかったこと
1人はその業務の立ち上げメンバーだったため情報を一番持っていたため
直ぐに入れ替えることができなかったことがあります
上司が先輩社員たちに指導している姿を見ていますが、その不満を解決できるほどの効果はなく
何も変わっていない状況、日々増えていく業務量、遅くまで働く毎日に嫌気がさしたのかなと
そして、辞めたいと正気ルートで伝えても、今抜けると困ると言われるだけ
でも今のままは嫌だと思っていたのではないでしょうか
ケース2に関しては、そもそも管理側の問題が大きいと思います
業務負荷の調整はしていたはずですが、進捗に関しては本人を信じすぎていました
また、電話で口頭の調整が多く、メールで残すことを指示してもやっていませんでした
そこを徹底させていなかったことも問題です
また、業務負荷が高いチームで、できない社員に無理やりやらせていたことも問題です
本人はプライドが高く、手伝って欲しいと言えない個性をわかっていながら
放置していたことも問題がありました
この問題に発展するまでにこうしたことをわかっていたのですが
ここもすぐに人を入れ替えることが人材不足でできませんでした
こうした管理側の原因で問題が爆発寸前までいったので
逃げたくなってしまったのでしょう。その気持ちはよくわかります
ケース3に関しては、管理側の責任
退職者が多く、この社員にもいろいろと対応をしてもらっていた
もともと要領のいいタイプではなかったので、いろいろと悩みもあったのだと思う
人材不足で抜けた穴を埋めることもできず、残ったメンバーでなんとかする
そのサイクルが何年も続いていたので、自分の立ち位置が上がってきて業務量も増えている
今後もこの悪循環が続くことを悟って、言ったところで引き留められるとだろうと考えて
決断したのかと思っています
どのケースをとっても、退職代行を使う側にも問題はあると思うが
原因を掘っていけば、使われる側にもそれ相応の原因があると思います
わたしの部署は30人くらいでしたが、だいたい年に1人〜2人くらい辞めていきます
理由を聞くと大体が業務過多で辛いのと、長く働けば働くほど責任と業務量が増えるのが嫌と
こう言われるのがほとんどでした
これを「しょうがない」と軽視していた結果、我慢していた人が次々と退職を決断したのだと思います
わたしは管理職になって直ぐにこうした経験をしたため
コミュニケーションの重要性や、簡単な不満の改善はすぐにやろうと思っていました
なので自分が変わらないと何も変わらないと痛い思いをして学びました
最後に
退職代行についての情報とわたしの経験を、長々と書いてみましたがいかがだったでしょうか?
この情報があなたのお役に立ていったら幸いです
管理職の方へ
過去に退職代行を使われたことが管理職の方
もう一度、組織や自分の管理に問題がなかったか振り返ってみてください
問題点が見つかれば、より良い組織づくりや自分の部下への関わり方が改善できると思います
そうすることで、そもそもの離職者を減らせるきっかけになると思います
まだ退職代行を使った退職を経験していない管理職の方
辞める側の問題だけではなく、組織や人間関係が問題になることを知っておいてください
また、少なからず会社への不満が出ていると思います
そのような不満を蔑ろにせず、少しでも改善するように努力した方がいいと思います
どちらの場合でも、より良い職場環境や人間関係が作れていれば
退職代行を使い、急にいなくなって慌てるということを防げると思います
人が辞めてしまうことは組織の新陳代謝としてしかたないと思いますが
最後くらいお互い円満に別れるようにした方がスッキリすると思います
退職について悩んでいる方へ
できるだけ退職は直接話しをすることをオススメします
しっかりと確認して欲しいですが、損害賠償が発生する可能性もあるそうです
また、「言いにくい」だけの理由だと
今後もなんとなく嫌だなと思ったことから逃げてしまう癖がついてしまうからです
ただし、強引な引き止めや、退職させてくれない、ハラスメントが酷いなど
会社側に問題があり、すぐにでも抜け出したい場合は使うことを検討してもいいと思います
このような場合はあなたに健康被害が出る可能性があるので
自分の幸せと体を一番に考えてください