部下・後輩の育成はたくさん失敗させる! 成長を促すための失敗のさせ方

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人生・仕事

今回は失敗する経験はとてもいい経験であることについて話をしようと思います

まず、あなたは仕事での失敗をどのように考えていますか?
わたしは失敗はとても良い経験だと思っています
これは自分自身のことであっても、部下や後輩が成長するためにも必要だと思っています
わたしの経験上、重大な失敗を回避する嗅覚は多くの失敗を経験していないと養えないと思います
常に成功し続けて歩んだ道は、最速で成功をつかみ取れると思います
でもなかなかこのような人はいないと思います
失敗し続けて歩んだ道は、一見すると遠回りしているようにみえます
でも、わたしは失敗を経験していることで、よりいろいろなことが経験できるので
今後の大きな仕事や人生に非常に役立つ知識や考え方を得ることができると考えています
育成する立場になったときは
「なぜこの子は上手くいかないのか、失敗してしまうのか」について理解できると思います
これは、自分も多くの失敗をしていることで、相手の気持ちがよくわかるからだと思います

わたしの経験から失敗をよりポジティブに考えていただければと思っております

少し本筋とはずれますが
部下・後輩が言うことを聞いてくれない
あなたはこのようなことに悩んではいないでしょうか?

あなたの中では、お客様や社内から指摘されたり、やり直しになったりすることがわかっているので
部下・後輩に対して、スムーズに事が運ぶように細かく指摘しているのだと思います
わたしからすれば"自分の趣味(こだわり)"での指摘でないのであれば
とてもしっかり業務を見てあげている上司・先輩だと思います
ただ、このような指摘に対して、「あの人は細かすぎる」だとか「やる必要があるのか?」など
あなたが悪者扱いになるようなことを噂で聞いたり、直接言われたりすることはないですか?
これは、あなたと部下・後輩とでは成果物品質に対する考え方が違うのです
ここを一致させるためにも部下・後輩に失敗を経験させることで
要求・要望に対してどこまでの品質を求めないといけないのかを全員で共有する必要があります
お客様と直接コミュニケーションを取る環境であれば積極的に本人にやらせるべきです
資料作りは部下・後輩に、報告は上司・先輩ではなかなか自分事として考えてもらえません
なので責任はあなたがとる必要がありますが(上司であればそれが仕事)
成功も失敗も本人にしっかりと実感してもらうことが必要になります
こうした経験から、あなたの指示や指摘の意図を汲み取るようになってくれます

本来であれば、あなたの意図をしっかり説明するべきだとは思いますが
なかなか初めから理解してもらえる人ばかりではありません
なので、意図を理解してもらえる経験、特に失敗から学んでもらう環境を用意してしまう
このようにわたしは考えています

失敗をした際、正しく失敗の振り返りを行うと自分の弱点や改善点がわかります
次回に向けて自己改善ができるので、成功体験だけでは見えない欠点や課題を発見できます

失敗から学ぶことの効果は科学的に証明されているそうです
人間の脳は失敗した時に最も活発に学習するそう
これは、失敗した際に脳がその原因を分析し、次回の成功に繋げるための情報を蓄積するからです
このプロセスが繰り返されることで、長期的なスキルの向上が期待できます

失敗を多くしていれば、その後のリカバリーを何度も経験します
その時は「やばい、どうしよう」と思うかもしれませんが
実際のところ、その失敗に対して真剣に解決しようとすれば
「いろいろ大変だったけれど結局最後はなんとかなる」というへんな自信がつきます
こうして育っていくと将来、自分に部下や後輩ができたときに
どんどんチャレンジを促すようになります
その際、多少の失敗では何とも思いません
そして組織としては失敗を怖がらず、メンバーが積極的になることで成長していきます


いかがだったでしょうか?
あなたが実際に成長したなと思うターニングポイントに置き換えてみると
なにかの失敗から学び成長したことで成功を手にした経験があるのではないでしょうか?

できることだけ対応してもらっても、なかなか失敗する機会はありません
なので、少しだけその子には難しいだろうなと思うことをあえて対応してもらいます
練習ではなく実践の中で失敗するからこそ、自分の弱点や欠点がしっかりでます
成長してくればミスをしなくなってくるとは思いますが
少しだけレベルの高いことで成功し続けるためには、自分の経験を応用していく必要があります
だれも答えを持ち合わせない、未知の問題を対応することになっても
その経験が役に立つと思います

これはとても簡単なことですが、実践するのはとても難しいと思います
「納期遅れ、大問題になる」ところまで、本人のやりたいようにさせるためには我慢がいります
やっぱり、上司・先輩側が責任を取りたくないと思ってしまうので口が出てしまいます
そうではなく、あえて失敗する道とわかっていてもそのまま進ませることが必要です
ここで上司や先輩の判断が入ってしまうと「だってあの時あなたが。。。」となり
素直に自分の失敗だと思ってくれません
自分で判断し、自分の考えや行動が失敗を招いたと実感することが重要だと思います
もちろん、上司・先輩はしっかり責任をとる覚悟が必要です
ですが、大きな問題になる前までの肌感覚はわかっていると思いますので
最終的にはあなたがリカバリーして、上手くいったとなると思います
ここでもあなたは最低限の対応にとどめて、本人にしっかりと動いてもらいます
あとは、メンタルのケアも必要になりますから、すぐに叱ったりするのではなく
あくまでその場は「上手く巻き返すためにどうするのか?」など前向きな会話にとどめること
また、業務が完了したら、今回の良かったこと、悪かったことなど事実を話しあうことが必要です
また、組織として失敗に対して寛容な部署であれば
上司と先輩との間でしっかりコミュニケーションをとり、失敗する可能性があること
その失敗が起きた時にどのようにリカバリーするつもりかを話し合っておいてください
そうすれば、上司・先輩の2人から叱られることもなく、先輩は上司から叱られることを防げます

根回しとは、失敗を経験する際、「至らない点、実力不足があるかもしれないが経験させたい」と
事前に関係者やお客様に根回しをして、直接厳しい言葉を言ってもらうなどすることです
身内の言葉よりも普段あまり関わらない人の言葉の方が刺さることが多いです
例えば、直属の上司・先輩の言葉は刺さらないが
普段は関わらない社長、役員、他部署の人から言われたり
直接やりとりのあるお客様の言葉というのは刺さったりします
これは「やってしまった」と素直に思えるからなんだと考えています
部下・後輩と一緒に失敗を謝れば、「自分の失敗で。。。」とも思ってくれると思います
これを根回しをしないで玉砕覚悟で挑んでしまうと、余計なトラブルに発展しかねません
また、自分が関係部署やお客様と信頼関係がありコミュニケーションが取れているかも重要です
なので、自分自身もしっかりと実績を残していく必要があります

そもそも失敗は誰にでも起こることなので、失敗した事実を責めてもなんの生産性もありません
そうではなく、「どうしてこうなった?」という原因を解析することの方が重要です
原因を探った結果、次回以降にどう再発を防ぐかというところまで考えます
また、表面上の原因ではなく根本的な原因を探ることが必要なため

Q:なぜ問題が発生したのか?

A1-1:過去の情報からこれでいいと思った
A2-1:自信はなかったが上司・先輩に確認しなかった

Q:なぜ過去の情報からこれでいいと思ったのか?(A1-1)

A1-1-1:今回の対応内容が過去の対応内容と同じだと思った
A1-1-2:とりあえずやりながらわからなければ聞けばいいと思った

このように状況をしっかり振り返り、一つの質問に対して何個も答えを出し
さらにその答えに対して「なぜ?」と考えることで原因を深掘りしていきます
これは「なぜなぜ分析」と呼ばれたりしています
深く掘っていった結果、最終的には同じ答えに辿り着くかもしれません
また、個人の原因と外的要因と分けて考えるとより良いと思います
これをやることで個人の不注意なのか、問題を発生させる組織的な課題があるのかがわかります
こうしてできた対策をすぐに実施し、様子をみてさらによりよくしていけばいいと思います

個人で発生した問題であっても、発生した事象、原因を深掘りした結果
その対策について、社内や部内でしっかりと共有することが重要です
同じ会社内なのに、別の部やチームが全く同じことを発生させて損失が出た場合は
とてももったいないと思いますし、もしお客様が同じであれば信用問題にもなります
しっかりと同じ失敗は発生させないように、みんなで詳細を共有することが重要だと思います
最近ではデジタル化が進んでいますので、みんなで集まって話し合わなくても
共有サーバーで見れるようにしておけば、そこを覗きにいくだけで情報を手に入れることができます
また、「見ておきなさい」だけでは浸透しませんので
最低限、小さなチーム単位ではしっかりその問題について議論して
その対策が自分たちの環境に合っているか、合っていない場合は対策を別途議論する必要があります
最初はなかなか失敗を発表するのは嫌なことかもしれません
ですが、自分が経験した失敗を他のみんなが経験しないようにと考えて
会社のために、みんなのためにと前向きに考えることができれば
失敗そのものは「発生するもの」、「再発防止が重要」という考え方ができるようになるはずです
そのためにも、組織として失敗に対して寛容である必要がありますし
そうした雰囲気が、社員の「失敗を恐れない」という考えにもつながると思います

ここでわたしが取り組んできたことを少しお話しします

以前、わたしが勤めていた会社は仕事をするにあたり「失敗をしない、させない」が方針でした
むしろ「人間なんだからいかに失敗をしないように頭を使うか」と言われていました
これでは失敗させないように上司が言ったことを素直に実行できる人が重宝され
失敗を経験しない人が大量発生し、長く働いても自分で考えて動くことができない人が多かったです
また、自分はできると勝手に勘違いする人も発生するなど、全く人が育たない酷い状況でした
そんな中でわたしは、とある企業の社長さんの講演を聞く機会がありました
その際、「失敗学のすすめ」という本を紹介していただき
若いうちに多くの失敗を経験することが成長につながることを知りました
そのため会社の方針とは全く逆のことを行いながら育成に取り組んでいきました
直属の上司はわたしのやり方に賛同してくれたので若い時からこの育成を実践できました
また、失敗をさせていく環境をつくるためにお客様にも協力していただきました
話し方や進捗がボロボロだったこともいくらでもあります
そうした状況のときは、後から電話などでお客様へ「先ほどは申し訳ございません」と伝えると
「早く育ってもらってもっと対応してもらいたいから大丈夫ですよ」という言葉をかけてもらいました
お客様に恵まれていたことにとても感謝しています
お客様からも厳しい言葉を本人に直接言ってもらえる環境があったことで
その失敗から学びを得て、より成長した姿を見せることでメンバーの信頼も上がっていきました
他にも、最初はなかなか言うこと聞いてもらえず、「そこまでやる必要があるのか?」のように
不満そうに対応していたメンバーも
「こうやって指摘される可能性はない?」などと聞くと
「あるかもしれないですね、全然考えていなかったです、ありがとうございます」と
少しずつですが考え方が変わり、わたしが求めていることを理解してくれるようになりました

失敗することは精神的にも辛く、仕事も多い環境でもあったため
仕事が辛いと言って人がたくさん辞めていったことも事実です
ですが、わたしのグループではこうした環境を整えたこともあり
長く働いてくれるメンバーは社内でも評価が高く、わたし自身も育成について評価されていました
こうした実体験からも失敗を経験することが成長を促すと考えています

今回は成長するために失敗を多く経験させようというテーマで書いてみました
少しでもあなたの育成に関する悩みの解決になれば幸いです
またこれは仕事だけに限らず、あなたなの人生にも同じことが言えると思います
失敗を怖がって、一歩踏み出せない何かがあるのなら
何かチャレンジや成長するためには失敗はつきものと考えてみてください
今考えている心配事の9割は未来に発生しないとも言われています
なので、心配だけが足枷になっているのであれば、まずはやってみましょう
行動を起こさなければ、自分の考えが間違っていたと気づくこともできません
周りを変えたいならまずは自分を変えることから始めてみるのもいいと思います

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